2009年07月27日

銀河鉄道に想ふ

中学から高校時代にかけて、
私はよく『コミック・トム』という月刊誌潮出版)を読んでいました。
(現在は廃刊。)

手塚治虫氏の『ブッダ』
横山光輝氏の『三国志』
みなもと太郎氏の『風雲児たち』などが連載されており、
毎月楽しみにしていたものです。face03

その『コミック・トム』に、
『宮沢賢治漫画館』というコーナーがあって、
毎月、様々な作家が宮沢賢治氏の童話を漫画化されていました。

最近、イーストプレス社が、
『まんがで読破』というシリーズを出版していますが、
宮沢賢治氏の代表作、
『銀河鉄道の夜』も出版されているのを発見して、
何だか懐かしくなって読んでみました。

実は、『銀河鉄道の夜』は、
既にますむらひろし氏によって漫画化されています。

私は、このますむらひろし版『銀河鉄道の夜』を読んだ時、
『銀河鉄道の夜』は
宮沢賢治氏の死後に出版されたことは既に知っていましたが・・・

『銀河鉄道の夜』には実は4つのパターンがあったこと、
宮沢賢治氏の死後、研究者が綿密な調査の上、
最後に推敲が行われたと考えられるものを
『最終形』として出版していたこと、
『初期形』第1~3次敲には、物語の終盤に、
『最終形』では登場しない、『ブルカニロ博士』が登場すること・・・

・・・などなどを初めて知りました。
(恥ずかしながら・・・。face07

ますむら氏は、
『銀河鉄道の夜』の『最終形』
『初期形・第3次敲』(ブルカニロ博士編)を漫画化されています。

『銀河鉄道の夜』は幻想に満ちた
宮沢氏独特の世界が展開する童話ですが、
『ブルカニロ博士編』に比べ、
『最終形』の方が、どちらかというと
より幻想的で、謎に満ち満ちた作品になっていると思います。

『ブルカニロ博士編』では、
ブルカニロ博士が、主人公のジョバンニに、
物の観方、考え方、捉え方、その他様々なことを
解説してくれるからだと思いますが、
あえてどちらかを選べと問われれば、
私は『ブルカニロ博士編』の方が好きですかね・・・。

さて、『イースト・プレス版 銀河鉄道の夜』ですが、
この作品にも、
一般的に知られている『最終形』には登場しない、
ブルカニロ博士が登場します。
(名前は明らかにされませんが・・・。)

ブルカニロ博士は、ジョバンニにこう語りかけます・・・。
『ジョバンニ

 たくさん悩んで
 たくさん苦しみ

 それを何べんも
 繰り返して

 あらゆる人の一番の幸福を探すんだ』


この箇所を読んだ時、
私は何だかジーンとして、思わず涙が出てきました・・・。icon11

『イースト・プレス版』には出てきませんが、
『初期形』や
『ますむら版・ブルカニロ博士編』に出てくる
ブルカニロ博士の言葉にも
非常に考えさせらるものがあります・・・。

『ああ ごらん

 あすこにプレシオスが見える

 おまえは
 あのプレシオスの鎖を
 解かなければならない』


『プレシオスの鎖』が一体何なのか、
よく解りませんが、
この鎖を解くことにより、
『あらゆる人の一番の幸福』が明らかになるのだと思います・・・。



Posted by ゲゲゲのしげ爺 at 19:00│Comments(4)
この記事へのコメント
しげたん先生 こんばんは(^^)
そちらは大雨のようでしたが・・・大丈夫でしょうか?

うわぁ~! シンクロ~☆ と、またまたビックリ&うれしや~☆ です。(^^)
実は、何日か前に書かれていた宿曜占星術、、初めて知りまして、早速ネットの無料占いで占ったところ、、(笑) 「○宿」の「夫婦宮」 だったので、何故か宮沢賢治の「ふた子の星」をまた読みたくなって、図書館から借りてきたところでした!
ほうき星にだまされて海の中におとされたふた子の童子たちが天上に戻って、
「・・・・・・・なまこも、もしできますならお許しねがいとう存じます。」と、海に落ちてなまこになってしまうほうき星のことを空の王さまに祈る最後の部分は、、いつ読んでも、胸がじ~んとなって、涙。。涙。。してます。。。

「やまなし」「シグナルとシグナレス」などなど・・童話の絵本もたくさん借りてきました。「銀河鉄道の夜」は貸し出し中なのか、見あたらなかったですぅ。(ザンネン・・・)

漫画もあるんですね~☆ 逆境漫画?よりこちらの方を先に読んでみたいな~♪(笑) 思っております。(^^)
いつもいろいろ教えてくださって、ありがとうございます。(^^)
Posted by しいちゃん at 2009年07月27日 22:18
しいちゃんさん、こんばんは。

「ふた子の星」も素晴らしいお話ですよね・・・。

私も大好きです。
Posted by ゲゲゲのしげたんゲゲゲのしげたん at 2009年07月28日 19:28
しげたん先生 こんばんは(^^)
ますむら版「銀河鉄道の夜」・・・図書館から借りてきて読みました。
ブルカニロ博士篇・・・感動しました。。。
「・・・お前はもう夢の鉄道の中でなしに 本当の世界の火やはげしい波の中を 大股にまっすぐに歩いて行かなければいけない 天の川のなかでたった一つのほんとうのその切符を 決しておまえはなくしてはいけない・・・」

ブルカニロ博士に出会った後、お母さんのためにミルクをもらいに夜道を駆けるジョバンニ。
「・・・何かいろいろなものが一ぺんにジョバンニの胸に集まって 何とも言えず かなしいような新しいような気がするのでした・・・」
私も今、同じような心持ちがします。(^^)

しげたん先生 いつもありがとうございます☆ (^^)
Posted by しいちゃん at 2009年08月21日 22:15
しいちゃんさん、こんばんは。

『かなしいような新しいような気』。

人間にとって、
一番大切な気持ちなのではないでしょうか・・・。
Posted by ゲゲゲのしげたんゲゲゲのしげたん at 2009年08月22日 19:05
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