2009年11月10日

『自力』と『他力』

『大自然の前には聖道門も浄土門も無い
 あるのはただ自然の理(ことわり)だけじゃ
 理の中では自力他力の区別はない
 真実はただ1つ
 あるがままにあると言うことじゃな』


『それですよ
 空寂さま
 それが他力の本願なのです
 絶対他力の世界は
 はるかに自力を超越しているのです
 従って自力の修行をする人も
 他力を信じるべきなのです
 自力に他力が備われば鬼に金棒じゃありませんか』


山折哲雄バロン吉元両氏による著書
『親鸞』ホーム社)の1シーンです。

私は最近まで
矢山利彦院長の影響からか、
空海のことはかなり研究しましたが
親鸞についてはほとんど知りませんで、
バリバリの自力本願修行派だったのですが、
ある読者の方からのコメントもあって
親鸞の研究もはじめてみました。

『聖道門(しょうどうもん)』とは、
様々な修行を通して、自力によって成仏することを説く宗旨のこと。

それに対し、
『浄土門(じょうどもん)』阿弥陀仏の力によって、
極楽浄土往生するという宗旨

シンプルに考えると、
聖道門が『修行派』、浄土門が『帰依派』ということができて、
私はつい最近まで、
『病気治し』
とことん自力の道、いわゆる聖道門であると考えていました。

もちろん、病気の治癒に他力の道
いわゆる浄土門の要素が全く無いとは言いませんし、
言えませんが、
より重要なのはやはり『自力』であり、
その本質は『自力』icon09であると考えていました。

しかし、私自身も『ホロトロピック・チェンジ』を起こしつつあるのか、
ここにきて
私の考えも次第に変化しつつあります。

親鸞上人が仰るように・・・

『絶対他力の世界は、
 はるかに自力を超越している』


・・・と思えるようになってきました。

ただ、自力の要素が不必要というわけではなく、
やはりそれは必要な要素であって・・・

『自力あっての他力』

『自力が基礎にあっての他力』

『他力の中の自力』


・・・であるような気はします。

もっと抽象度を下げて具体的に説明すると・・・
『自力』とは、
自分の中にある
『今、ここに在る力(パワー・オブ・ナウ)』を自覚し、
それに従って行動すること。

『他力』とは、
未来からの時間のエネルギーに身を任せること・・・

・・・ではないかと現時点では考えています。



Posted by ゲゲゲのしげ爺 at 19:00│Comments(4)
この記事へのコメント
しげたん先生 こんばんは(^^)
「親鸞」・・・お読みになったんですね~☆

親鸞は、、、空海が、真言密教の悟りに至るまでの、心の段階を10段階に分けて示された「秘密曼荼羅住十心論」
の、第一~第三の人々をなんとか救ってあげたいと思ったのではないでしょうか・・・。
親鸞の、切なる、熱い、慈悲の心を想うと、胸がいっぱいになります。(涙)

「向上しよう」という決意&意志をしっかり持ち続ける「自力」によって創られる「未来」を信じ、任せる「他力」。
先生の「未来療法」は「自他力療法」ですね。(^^)
親鸞と同じ、熱い慈悲の心を感じます。

いつもありがとうございます☆   (^^)
Posted by しいちゃん at 2009年11月10日 22:29
しいちゃんさん、こんにちは。

「親鸞」読みましたよ~。

しいちゃんさんの仰るように、
「未来イメージ療法」は「自他力療法」になりますね。

なるほど・・・。

ご指摘、ありがとうございました。
今後の診療に活かしたいと思います。
Posted by ゲゲゲのしげたんゲゲゲのしげたん at 2009年11月11日 14:25
しげたん先生 こんばんは(^^)
過分なお返事、、、たいへん嬉しく、恐縮しております。
自分の思っていることを、ただただ書かせていただいているだけですので・・・。 ありがとうございます☆ (^^)

「自力あっての他力」「他力の中の自力」・・・
「他力」を「大いなる存在」「神」に置き換えてみたらどうかしら?・・・ などと、いろいろ考えてみました。 
ナチスの時代を生きたドイツの神学者のデートリッヒ・ボンヘッファーの言葉、、、
「神の前に、神とともに、神なしに生きる」

飯田先生の「生きがいの宝箱」にあった言葉、、、
「・・・・・・「神」の存在を実感しているからこそ、「神」に頼らないで生きようとする人生。・・・」  浮かんできました。

私は、どちらかというと、仏教派ではなくて、キリスト教派の修行者のようですぅぅ。(笑)

いつもありがとうございます☆  (^^)
Posted by しいちゃん at 2009年11月12日 22:54
しいちゃんさん、こんばんは。

「神の前に、神とともに、神なしに生きる」

・・・とは、素晴らしい言葉ですね。

キリスト教でもこのような考え方をなさる方が
いらっしゃったのですね・・・。

勉強になりました。
こちらこそ、
いつもコメントありがとうございます。
Posted by ゲゲゲのしげたんゲゲゲのしげたん at 2009年11月13日 19:13
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