2010年02月03日

未来発想的時間術

矢山クリニック
急患の対応も一応行っていますが、
基本的には予約制になっています。

日本の医療は・・・

3時間待ちの3分診療』

・・・とよく批判されますが、
当院ではそういうことがないよう、予約制にして、
1人当り最低10分は時間をかけて(検査、処置は別)診療できるような
システムになっています。

(本音を言わせていただくと、
 実は1人当り30分1時間くらいかけて
 じっくり診療させていただきたい気持ちはあるのですが・・・。)


以前、私は空手に応用するために
ボクシングを行っていたことがあるのですが、
ボクシングは1ラウンド2~3分の間に相手を倒さなければなりません。
外来診療もそれに似たような所があって、
時間をかければいいというものではなく、
限られた時間内に
いかに質の高い医療を提供していくのかが
我々臨床医の腕の見せ所punchであるような氣がします。

さて、外来診療は・・・

1.予約表を用意する。
2.カルテが来る。
3.診療する。
4.次のカルテが来る。
5.診療する。
6.その次のカルテが来る。
7.診療する
8.(・・・以下同文)


・・・という流れで進められるのが一般的であると思うのですが、
この方法では目の前に次々に現れる業務、
時間に追われているような氣がして、
非常に効率が悪いような氣がしていました。

そこで、私は日常の外来診療の仕事にも
『未来発想』を導入することにしました。

(実は言語化するのが非常に困難ではあるのですが、
 自分なりに解説を試みてみたいと思います・・・。)

まず・・・
その日の予約表を確認する際に、
意識を未来に跳ばします。

診療を開始する際に、
その日の外来診療のゴールを設定するのです。

そうすると、その日に来られる患者さん方の顔や病状などの情報が
走馬灯のように脳内を駆け巡ります。

診療の前に、前もって
その日の外来診療をシミュレーションしてしまうのです。

(いちいち細かくは行いません。
 ごく短時間で、無意識的に行います。)

その状態で外来診療を行うと、
時間に追われるのではなく
時間のwaveに乗っているような感覚で仕事が進みます。

(時間は、未来から現在、現在から過去に向かって流れています。
 その流れ、波に乗るのです。)

顕在意識的にはっきりと未来を認識しているわけではありませんが、
擬似的に、無意識的に脳が未来の経験を記憶しているためか、
『デジャヴ(既視感)』的な面白い感覚も時に覚えます。

抽象度次元が上がって、
自分のやっていることを俯瞰して観ることができ、
効率よく診療を進めることができるのです。

このような意識状態で仕事を行っていると、
急患や病棟での急変のような予約外、予想外の出来事が起こっても・・・

『それは予想外だけど想定内・・・』

・・・のような妙な安心感のもとで仕事ができ、
変に冷静に対応することができます。

(言っていることが伝わっていますかね・・・?)

ただし、この方法には実は副作用があります。

自分は一度
(無意識的に)未来を観てきた感覚、
未来の時間領域で活動しているのに対して
周りのスタッフは従来通りの普通の時間領域で活動していますので、
忙しくなってくると、スタッフたちが業務と時間に追われ出しはじめ、
徐々に効率が悪くなってスピードが落ちてくるのをモロに感じてしまい、
周りのスピードが、以前より遅いように感じてしまうようになるのです。

ちょうど、パソコンが重くてサクサク動かない時のような感覚、
マウスを思わずカチカチと何度もクリックしてしまいたくなるような感覚、
009加速装置を発動した際に、
周りの動きが相対的に遅くなるかのような感覚が生じてしまいます・・・。

今後は、
この『未来発想的時間術』をうまく言語化し、一般化して
スタッフ皆が未来の時間領域で活動できるよう
指導していくのが課題だと思います・・・。



Posted by ゲゲゲのしげ爺 at 19:00│Comments(2)
この記事へのコメント
なるほどです。
診察にも応用なさるんですね!

わたしも同じく、
本日のご予約セッションスケジュールをひととおりシュミレーションし、セッションの終わりにはお客様がた皆様がにこやかに帰られる部分をビジョンとして観てから毎回行っていました

しかも『終わりの笑顔』のみです

セッションの真ん中に何が起きるかそれは全く関係なく
とにかく『晴れやかににこやかに笑顔で握手もしくはハグして別れる』の最後のとこのみを先取りしてセッションに赴いておりました

わたしの場合はチームで動くわけではないのでものすごく臨機応変にできますが
病院では他のスタッフの方々といっしょにとなるので
なるほど そのような問題点もでてくるのですね

いっそのことスタッフやチーム全体も
みんなまるごとスムーズに物事がすすんでいるビジョン(未来の先取り)をなさってみてはいかがかしらと感じましたがどうでしょうかあ?(#^-^#)
Posted by ミワ子 at 2010年02月03日 20:46
ミワ子さん、こんにちは。

ご指摘ありがとうございます。

一応、自分なりにはやってはいるのですが、
やはりメンバーの一人ひとりが理解して納得して
行った方が効果が高いようです・・・。
Posted by ゲゲゲのしげたんゲゲゲのしげたん at 2010年02月05日 17:47
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