ゲゲゲのしげ爺　ほりほりずむ宣言

正直に告白しますと、
私はつい最近まで・・・

『ムカデ恐怖症』

・・・でした。

（ムカデが好きな人はあまりいないとは思いますが・・・。）

きっかけは、
中学1年生の時・・・

ある日の夜、私は夢を観ていました。

どこからともなく、
クリスマスの時期によく見かける、
『ヒイラギ』の葉っぱのような、
トゲトゲした葉っぱが1枚、
空からヒラヒラと落ちてきました。

そのトゲトゲした葉っぱは、
次第に私の方に引き寄せられ、
そのうち身体の周囲をクルクルと回り始めました。

『なんだ、これ・・・？』

・・・と思いながら葉っぱの動きを観ていたら、
なんとその葉っぱが私の左鎖骨あたりに・・・

グサッッ・・・！！

・・・と突き刺さりました。
あまりの痛さに私は倒れ込んでしまい・・・

『ウ～ン、痛ぇ～・・・』

・・・と唸り始めたのでした。
そのうち、次第に眠りから覚めはじめ・・・

『あぁ～、
　さっきのは夢か・・・。
　でも夢なのに何でホントに痛いんだろ・・・？？？』

・・・と夢うつつの中、考えていたら、
なんか首筋にモゾモゾと動いているものがいます。

『ギョッ・・・！！』

・・・と我に返って振り落とし、
暗闇の中で目を凝らして見てみると、
なんとムカデ・・・！！

その後、刺されたところは大きく腫れ上がり、
大変なことになってしまったのでした・・・。

（『ミミズ腫れ』ならぬ、『ムカデ腫れ』。
　これが実に痛いんですよね・・・。）

この体験は、
私の無意識の領域、潜在意識に深く刻み込まれ、
トラウマとなってしまい、
その後、私は理屈抜き、本能的にムカデが
大の苦手になってしまいました。

（得意な人はあまりいないとは思いますが・・・。）

しかし、私はあることがきっかけで、この・・・

『ムカデ恐怖症』

・・・が治ってしまったのでした。

つい最近・・・

出勤する際に、玄関口で割と大きいムカデを発見しました。

「・・・・・。
　お～い、ちょっとお湯持ってきて～。」

『もとより殺生は好まぬが、
　女房、子どもを刺されても困るのでな・・・。
　許せ。
　南無阿弥陀仏・・・。』

私はムカデにお湯をジャーッとかけて、
割り箸でひょいとつまんで、
裏の柿の木の林にポイッと投げ捨てました。

その時、ふと気付いたのです。

『あれ・・・、
　俺、ムカデ恐怖症が治ってるじゃないか・・・！！』

ムカデを見ても別に・・・

『ゾ～ッ』

・・・と身の毛がよだつこともなかったし、恐怖も感じなかったし、
実に淡々と冷静に判断、行動し、
何とムカデに対して念仏まで唱えてしまうこの余裕・・・。

我ながらビックリしました。

ところで、
私が『ムカデ恐怖症』を治したきっかけは・・・（つづく）