2011年10月18日

残酷な天使のジンテーゼ

漢方の世界には・・・・・

『八鋼弁証(はっこうべんしょう)』

・・・・・という言葉があります。

『八鋼』とは、
東洋医学の・・・・・

『陰・陽・表・裏・寒・熱・虚・実』

・・・・・の8つを指し、

『望診・聞診・問診・切診』

・・・・・の4つの診断、
『四診(ししん)』で得られた情報により
西洋医学でいう『病名(診断名)』に相当する・・・・・

『証(しょう)』

・・・・・を決定することを、

『八綱弁証』

・・・・・と表現します。

ところで・・・・・

『弁証』

・・・・・といえば、
一般的には哲学の用語で・・・・・

『弁論によって証明すること』
『是非・善悪を弁別して証明すること』

・・・・・を意味しています。

ある1つのテーマ、『命題(テーゼ)』があるとします。

それに反対・矛盾するテーマが、『反命題(アンチ・テーゼ)』。

この2つの相反する命題を、
互いに否定しつつも生かして統合し、
新たな高次元のテーマ、結論を導き出すことを・・・・・

『アウフヘーベン(Aufheben)』
『止揚(しよう)』

・・・・・と呼び、
その導きだされたテーマが・・・・・

『総合命題(ジン・テーゼ)』

・・・・・です。

この世界に完全なものなど存在しません。
全てのものは不完全であり、
その内にはある程度の矛盾を含んでいるものです。
(正:せい)

よって、必ずそれと対立するものが存在します。
(反:はん)

しかし、その2つを互いに結びつけ、統合した時に、
次の高いレベルのものが誕生します。
(合:ごう)

そして、その新しく誕生した『合』にも、
完全ではないがため新たな『反』が誕生し・・・・・

『正⇒反⇒合』

・・・・・のサイクルが永遠に回り、
世界が形成されていくというわけです。

新しいものは、いつかは古くなります。

古くなったものは新しく登場してきたものに否定されはじめますが、
否定をきっかけとして、
その古くなってしまったものは新しいものを取り込んで
より高い次元へと発展していくのです。

現在、
『東洋医学』というテーゼは、
『西洋医学』のアンチ・テーゼの力を得て、
新たな『統合医学というジン・テーゼに発展、進化しているように見受けられます。

まさに『正⇒反⇒合』、
まさしく『弁証』です。

しげた総合診療クリニックにて・・・・・
『東洋医学』と『西洋医学』を『アウフヘーベン(止揚)』し、
『統合医学』という新しい『ジンテーゼ』を生み出すお手伝いを
地域医療の現場においてさせて頂きたいと思っています・・・・・。




Posted by ゲゲゲのしげ爺 at 19:00│Comments(0)
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