2011年09月29日

漢方勉強会

昨日、
非常勤として勤務させて頂いている、
江北町の・・・・・

『古賀小児科内科病院』

・・・・にて、

『漢方勉強会』

・・・・・と題してミニ・レクチャーを開催させて頂きました。

古賀小児科内科病院の理事長先生は
漢方に対するご理解も深く、
病院にも数多くの漢方薬が置いてあって、
私にとっては実に勤務しやすい環境です。

(現在、
 私は『さすらいの中年フリーター医師』として
 様々な医療機関に勤務しているのですが、
 実は処方したい漢方薬が無いケースが多いのです・・・・・。)

対象は
職場の看護・介護・事務スタッフの方々で
漢方初心者の方もいらっしゃったので、
東洋医学の基礎中の基礎をお話しさせて頂きました。

レジュメを公開しますので、
東洋医学初心者の方、
興味のある方、
よろしかったらご参考になさってください。
漢方勉強会
平成23年9月28日
しげた総合診療クリニック院長 重田研一郎

1. 八鋼弁証(はっこうべんしょう)

  ● 八鋼・・・・・8つの綱領(基本的なところ、要点)
  ● 弁証・・・・・物事を動的に見ること

  ◆ 表裏(ひょうり)

    病変の部位。
    病気の深浅を判断する。
  
     ① 表証・・・・・皮膚・筋肉・関節・経絡
     ② 裏証・・・・・内臓(五臓六腑)

  ◆ 寒熱(かんねつ)

    病気の兆候、病気の性質(病性)を指す。

    ① 寒証・・・・・寒気がする、温を好む、冷えが嫌な状態
    ② 熱証・・・・・身体が熱い、喉が渇く、暑いのが嫌な状態

  ◆ 虚実(きょじつ)

    気の状態を指したもの。

    ① 虚証・・・・・正気が足りない状態
    ② 実証・・・・・邪気(病邪)がある状態

  ◆ 陰陽

 総合判定

 ① 陰証・・・・・裏・寒・虚
 ② 陽証・・・・・表・熱・実  

 ■ 陰証
  ● 顔色暗淡
  ● 元気がない
  ● 声が低い
  ● 疲労倦怠
  ● 呼吸が浅い
  ● 寒がる
  ● 四肢の冷え
  ● 食欲不振
  ● 湿った舌、口は渇かない
  ● 薄い小便

 ■ 陽症
  ● 顔色が赤い
  ● 精神興奮
  ● 呼吸があらい
  ● 濃い小便
  ● 便秘
  ● 譫言(うわごと)
  ● 発熱
  ● いらいら
  ● 口渇

 ● 陰陽失調 ⇒ 病気
 ● 陰陽調和 ⇒ 健康

  ※中庸(ちゅうよう)を保つ

2. 気血水(き・けつ・すい)

 東洋医学の基本となる考え方
 生体は、気・血・水の3要素が体内を循環することで維持されている。

 ◆ 気
  ● 「元気」「気力」「気合」の「気」
  ● 「電気」「磁気」「空気」の「気」
  ● 目に見えない生命エネルギー
  ● 「病は気から」

 ◆ 血  
  ● 体内を循環する物質のうち、赤い液体。「血液」
  ● 身体に必要な栄養を全身に運び、身体を維持する源。

 ◆ 水
  ● 体内を循環する物質のうち、無色の液体。
  ● 「津液(しんえき)」とも呼ぶ。
  ● 体液、リンパ液、唾液、間質液、浸出液、胃液、関節液、汗、涙、
  鼻水、尿、随液

 ■ 気の異常

  ① 気の不足 ⇒ 気虚(ききょ)  
  ② 気のバランス ⇒ 気逆(きぎゃく)
  ③ 気の余剰 ⇒ 気実(きじつ)、邪実(じゃじつ)
  ④ 気の滞り、鬱滞 ⇒ 気滞(きたい)気鬱(きうつ)

   ※ 補気薬、理気薬、瀉下(しゃげ)薬

 ■ 血の異常

  ① 血の不足 ⇒ 血虚(けっきょ)  
  ② 血の滞り、鬱滞 ⇒ 瘀血(おけつ)
  ③ 血のバランス ⇒ 冷えのぼせ

   ※ 補血薬、駆瘀血薬

 ■ 水の異常

  ① 水の不足 ⇒ 水虚(すいきょ) 
  ② 水の滞り、鬱滞 ⇒ 水滞(すいたい)
 ③ 水の余剰 ⇒ 水毒(すいどく)

   ※ 理水薬


3. 四診
 
  東洋医学の「望・聞・問・切」の4つの診断法。

  ① 望診(ぼうしん)

    西洋医学でいう「視診」。
    体を見ることで診断する方法。
    視覚による情報収集。

  ※ 特徴的なものに「舌診」がある。
    ● 色
    ● 舌苔(ぜったい)
  
  ② 聞診(ぶんしん)

    西洋医学でいう「聴診」。
    声の調子、呼吸音などを聞いて診断する。
    聞くだけでなく、体臭や口臭などの臭いを嗅ぐことも聞診に含まれる。

    聴覚と嗅覚による情報収集

  ③ 問診(もんしん)

    西洋医学と同じ、「問診」。  
    主訴、現病歴、既病歴、家族歴、生活状態などを質問する。
    言語による情報収集

  ④ 切診(せっしん)

    西洋医学でいう「触診」  
    「切」とは触れることで、体の特定の部位に触れることで診断する。
    触覚による情報収集
    基本は「脈診」。
    「腹診」も切診に含む。

4. 五臓六腑(ごぞうろっぷ)

  ● 五臓
   1.肝
   2.心
   3.脾
   4.肺
   5.腎

  ● 六腑
   1.胆
   2.小腸
   3.胃
   4.大腸
   5.膀胱
   6.三焦

5. 陰陽五行(いんようごぎょう)
 
 ● 陰陽
    全ての事象は、「陰」と「陽」の相反する形で存在する。

 ● 五行
    万物は、「木火土金水」という5つの要素より成り立つ。


Posted by ゲゲゲのしげ爺 at 19:00│Comments(2)
この記事へのコメント
T社の勉強会もなるべく参加したいのですが、残業日に重なるため叶わぬ昨今です。
系統立てて勉強したことがなく、文献だけの世界です。

自身の患者立場の体験では先生に漢方処方していただき、みるみるむくみ症状が改善したことが忘れられません。
Posted by Tsuyoshi at 2011年09月29日 19:34
Tsuyoshiさん、こんばんは。

T社の勉強会、
久し振りに私も参加したくなりました。
Posted by ゲゲゲのしげ爺ゲゲゲのしげ爺 at 2011年09月29日 23:13
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