2012年05月10日

統合医療をEBMで評価

厚生労働省で・・・・・

『「統合医療」のあり方に関する検討会』

・・・・・という会が開催されているようです。

4月25日に行われた2回目の会合にて、
聖路加国際病院長、
福井次矢先生は・・・・・

『統合医療にも
 エビデンスに基づいて医療を評価する
  EBM(エビデンス・ベイスド・メディシン)の考え方を導入できる』

・・・・・との考えを示されました。

福井先生は、
実は私が佐賀医大を卒業してすぐ入局した・・・・・

『佐賀医科大学附属病院 総合診療部』

・・・・・の当時の教授。

その頃から福井先生は、
漢方薬やO-リング・テスト、代替療法に関しても・・・・・

『EBM』
『エビデンス』
『二重盲検試験(ダブルブラインド・テスト)』
『ランダム化比較試験(RCT)』

・・・・・が必要であることを強調されていました。

東洋医学、代替療法は、
言ってしまえば・・・・・

『経験医学』

・・・・・なので、
西洋医学的手法である上記の方法では
評価しにくい点が多々あり、
その手法に乗らない統合医療は認められないという
福井先生の考え方には
東洋医学・代替療法の仲間うちでは疑問の声も上がっておりました。

あれから20年。

厚生労働省が
本腰を入れて統合医療の研究を開始したことには
一定の評価が得られると思います。

そして、
福井先生ご自身も・・・・・

『評価方法は、RCT でなければだめというわけではない』

『RCT 以外の方法を用いて統合医療を評価しよう』

『エビデンスの証明には多くの時間と資金が必要』

・・・・・といった内容の発言をなさっておられるようで、
今まではとかく批判の対象になりがちであった統合医療にも
いよいよ追い風が吹いてきたような感があり、
今後に大きな期待が持てそうです。

また、今回の検討会で話題になったのが・・・・・
『医療資格者以外が提供する治療は統合医療に含まれるか・・・・・?』

・・・・・という点。

この検討会で、
厚労省は統合医療を、
その提供者によって以下の3つに分類しました。

1. 医師により提供されるもの
2. 医師などの医療関係者により提供されるもの
3. 医師など以外の者
  または患者・利用者自身の判断で提供されるもの

現在のところ・・・・・

『ドクターが主導で
 医療従事者がチームでやるのが統合医療』

・・・・・との見方が強まっているようですが、
大筋では私もこの意見に賛成です。

統合医療を盲信・過信した結果の悲劇を
この目で数多く見てきたからです。

何か不測の事態が生じた場合、
最終的に責任をとるのは医師の仕事です。

西洋医学にも偏らず、
東洋医学にも偏らず、
代替療法にも偏らない、
21世紀型の真の統合医療を、
しげた総合診療クリニックは目指したいと思います。



Posted by ゲゲゲのしげ爺 at 22:42│Comments(0)
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