ゲゲゲのしげ爺　ほりほりずむ宣言

合気道の開祖、
植芝盛平翁先生の弟子の一人、
藤平光一氏は、
後に『財団法人氣の研究会』を組織され、
『氣』の世界でも、大変有名でいらっしゃいます。

私は、藤平先生に直接ご指導をいただいたこともないし、
お会いしたことさえないのですが、
『氣』の研究・実践を行っていく上で、
先生の著書を大変参考にさせていただきました。

藤平氏は、実は哲人・中村天風先生にも師事しておられたようです。

藤平氏のご著書の中に、
『中村天風と植芝盛平　氣の確立』
（東洋経済新報社）という本があります。

この著書には、
偉大なお2人の、お茶目で人間的な側面も書かれており、
非常に親しみが持てる内容になっています。

中村天風先生は、
『財団法人　天風会』を組織され、
数々の意識改革の方法を遺されました。

その1つに、
『命令暗示法』という、潜在意識を変える方法があります。

最近、『ツキを呼ぶ魔法の言葉』の五日市剛さんも
同じようなことを仰っていますが、
この『命令暗示法』は、鏡を使用して潜在意識変え、
意識を改革していく方法です。

「仕事が好きになる」
「あがらなくなる」
「煙草をやめることができる」

・・・などの目標、願望を、
寝る間際に、
鏡を見ながら、

「お前は、こうやれ」

・・・と、命令調で発言するのです。

鏡を見ながら
自分自身に向かって命令すると、
自分に言い聞かせるだけでなく、
鏡に向かった命令が自分にも跳ね返ってきて、
それだけでも命令・暗示が2倍になるのです。

愛煙家であった藤平先生は、
天風先生にこの『命令暗示法』を教わり、
本当に煙草を止めることができるのかどうか、
早速、実行されます。

毎晩、鏡に向って、

「おまえは煙草が嫌いだ」

・・・と暗示をかけられました。

実験は成功し、
煙草を吸おうとしたところ、
どこからともなく・・・

「おまえは煙草が嫌いだ」

・・・という声が聞こえてくるような気がして、
藤平先生は、自然と煙草を吸えなくなってしまわれます。

そこで、藤平先生は、天風先生に報告されます。

「先生、教わったとおりにやりました。
　私の潜在意識が変わって煙草をまったく吸わなくなりました」

すると、天風先生が一言・・・

「そうだろう、
　そう教えているんだ。
　ただ、みんななかなかやらないだけだ」

この箇所を読んだ時、
私は思わず、苦笑いをしてしまいました・・・。

まったく天風先生のおっしゃる通り、
『みんななかなかやらないだけ』なのです。

矢山利彦院長も、
気功の仲間や、患者さんや、クリニックのキャストに、
素晴らしいことを折角教えても、
『みんななかなかやらないだけ』なケースが多々あり、
頭を抱えておられることが結構あるのです・・・。

『天風先生も、
　矢山先生と同じようなお悩みがあったんだろうな・・・。』

なんてことを考えました。

そして、

『教わったことをすぐさま実践された藤平先生も流石だなぁ・・・。』

・・・と思いました。

修行派、実践者（ジッセンジャー）たるもの、かくあるべし・・・。