2009年09月30日

日本は『不自由診療』

大和ホロトロピック・センターでは、
病気の診断・治療を対象にした『保険診療』以外にも、
体質改善・アンチエイジング・デトックス・健康維持・健康増進・美容などを対象にした、
『自由診療』も行われています。

『保険診療』と『自由診療』とで『混合診療』になるという疑問を
持たれる方もいらっしゃると思いますが、実は違います。

『混合診療』とは、
例えば、ガン糖尿病などの同一病名に対し、
『保険診療』と『自由診療』を同時に行った場合の診療であると定義されています。

(これは、社会保険事務局厚生労働省で確認済み。)

そしてこの『混合診療』は
違法であり、原則禁止であるとされてきました。

しかし、腎臓癌のため闘病中の清郷伸人氏は、
同一病名(腎臓癌)に対して行った『インターフェロン療法』(保険診療)と
活性化自己リンパ球移入療法』(自由診療)との『混合診療』が違法とされ、
保険分の診療費まで自己負担になってしまうのはおかしいとして、
平成18年3月、国を相手に訴訟を起こされました。

そして、平成19年11月
東京地方裁判所は、
『保険診療』と『自由診療』を併用する『混合診療』を行うと、
全額が患者さんの自己負担となる国側の法解釈は誤りで、
しかも違法
であるとの判決を下します。

国側は直ちに控訴
その判決が、昨日、東京高等裁判所により下されました。

結果は、請求を認めた1審の東京地裁判決の取り消し
清里氏の逆転敗訴・・・。

一般的に・・・

『混合診療は原則禁止』

・・・と言われていますが、
実は、もともと『混合診療』を禁止する法律は存在せず
ただお役人がそう言っているだけで、違法でも何でもありません。

東京地裁の出した・・・

『混合診療禁止は違法

・・・という1審の判決は、
いかにも法治国家らしい、
患者さんの立場に立った、
実に人道的、良心的で素晴らしい判決であると思ったものですが、
東京高裁の2審の判決には、
正直かなり落胆させられました。
怒りさえ覚えます。)

『混合診療』を禁止する
明文化された規定・法律は、この日本においては存在していません。

なのに、
お役所の方々も、
一部の医師たちも、
マスコミも、
普通一般の方々も
大きな誤解、勘違いをしており、
その勘違いの状態の中で、
ああでもない、こうでもないという、
何とも無駄な議論が繰り広げられており、
その中で確実に命を落とす方々が数多く存在しているというのが現状です・・・。

冷静になって考えると・・・
『保険』とは、
自分が将来、病気をした時のために積み立てておく貯金のようなもの。

『保険』の治療では治らなかったので
『保険』の治療を併用しただけなのに、
何故、それまで給付されていたお金が給付されなくなって、
全額自分で負担しなければならなくなってしまうのでしょうか・・・?

清里氏は『保険外』の治療費まで『保険内』として認めよと
無茶なことを訴えているわけではないのです。
報道によっては、
 さもそのように受け取られてもおかしくないような言い方で
 報道されている場合があるようですね・・・。
 誰かの、何らかの意図のようなものを感じます。

 『新聞を読まない人は、読む人よりも真実に近い。』

契約書に明記されてもいないのに、
保険会社の自分勝手な解釈
自分が預けている
保険金がおりなくなってしまったら、
誰だって頭に来ますし、
訴訟沙汰になるものです。

そして、患者のためを思って『保険外』の治療を併用した医療機関が、
なぜ咎められたり、処罰されたりされなければならないのでしょうか・・・?
(今まで、数多くの保険医療機関保険医が、
 その資格を剥奪されています。)

素直に、単純に考えれば誰にでも分かる話だと思うのですが・・・。
それにしても・・・

『自由診療はコストがかかる、高い』

『自由診療は、どこかいかがわしい』

『混合診療は違法である』

『混合診療は禁止である』


・・・などといった、
医療を行う側も、
医療を受ける側も、
どこか後ろめたい気持ちになるような、
そんなイメージ操作、印象付け、刷り込み、洗脳をしてしまった方々には
大いなる責任が存在すると思います。



Posted by ゲゲゲのしげ爺 at 19:00│Comments(4)
この記事へのコメント
しげたん先生☆こんばんは!

腹立たしい判決ですね。ヒドイ話です。

政権が変わって、医療や薬に関するいろいろも、いい方向に変わるのではないかと期待しています。

どうすることが患者のためになるのか、そのことを第一に考えるという当たり前のことを当たり前に実行してくれる、当たり前の世の中に!
Posted by kei at 2009年09月30日 19:23
keiさん、こんばんは。

私も現政権にはそれなりに期待しています。
期待し過ぎは禁物ですが・・・。
Posted by ゲゲゲのしげたんゲゲゲのしげたん at 2009年10月01日 18:56
こんばんは、お元気さまです。
 保険診療だって(間接的には)コストがかるし、ある意味高くつく。
 保険診療だって十分いかがわしい。
 保険診療がいつも合法的に行われているとは限らない。
 保険診療だからといって、全てが許されているわけではない。
 と思います。
 何が本当に大切で、それが適切に行われたかどうか、を裁判してもらいたいものですね。
 
Posted by アルコンテ at 2009年10月01日 23:43
アルコンテさん、こんにちは。

全く、仰るとおりです。

我々現場の人間にとって、
目の前の患者さんが治るか治らないかが
最も重要な問題です。

「自由」か「保険」か「混合」かなどという、
意味のない、次元の低い論争は、
そろそろお終いにしたいものです。
Posted by ゲゲゲのしげたんゲゲゲのしげたん at 2009年10月02日 12:57
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