2008年09月10日

食品業界の仁義とは?

またもや、食の安全を脅かすような事件が起こってしまいました。

大阪の米穀加工販売会社
『三笠フーズ』が、
発ガン性のあるカビ毒アフラトキシンB1)や、
基準値を超える残留農薬メタミドホスアセタミプリド)が検出された
工業用(!)face08『事故米』
なんと食用と偽り、
しかも、事故米による健康被害の危険性を認識しながらも
意図的に転売していたことが発覚しました。

この会社は、佐賀県の仲介業者にも事故米を販売していたようで、
とても他人事では済まされない事件です・・・。

日頃から、
「愛、許し、癒し・・・」と言っている私ではありますが、
さすがにこの事件には頭にくるものがありました。icon08icon09

事故米は、
洗浄しても正規米とは色合いが異なるため、
抜き取り検査などで発覚しないよう、
混入は1割程度に抑えていたという話ですが、
これは全く当てにならない話であると思います。

事故米を混入した食用米の販売総量は不明
そしてそのほとんどが、既に消費されたと考えられています・・・。icon11

さらに、

「事故米転売は他の複数の業者も行っていた・・・」

「購入業者も薄々気づきながら、
 値段の安さを優先して買ったのではないか・・・」

・・・などという、まるで他人事のような発言もあったりして、
業界内で不正が横行している可能性が示唆されています。

私も、この事件は、おそらく氷山の一角なのだろうと思います・・・。icon11

5つの病因論によると、
農薬、殺虫剤、化学物質による体内環境汚染は、
現代病の原因の大きな一つになっています。

また、ガンは日本で死亡率第1位の難病です。

我々医療者が、
それこそ必死になって病気の治療を行っている傍から、
病気の原因となるような毒素が撒き散らされているという現実・・・。

そんな現実を目の当たりにした時、
私もまだまだ修行が足りないようで、
時に、何ともやり切れない気持ちになったり、
やり場のない怒りを覚えたりすることがあります・・・。

そして、実はもう一つ頭にくることがありまして・・・
『事故米』は、
毎年、政府が輸入するよう義務付けられた
『MA米(ミニマム・アクセス米)』と呼ばれる外国産米と、
備蓄用などに買い上げた国産米のうち、
基準値を超える残留農薬が検出されたり、
保管中にカビが生えたりした米を指します。

このうち、食用に適さなくなったものは、
工業用の糊(のり)の原料
家畜飼料などに限定し、食用に流通させないことを条件に
国から業者に売却されています。

そこである疑問(?)が生じるのです。

「三笠フーズ」は、米穀加工販売会社であって、
米菓子酒類の原料として米を販売するような
食品会社です。
別に工業用の糊(のり)を作ったりする会社ではないはずです。

そういう食品を扱う会社に対し、
なぜ農林水産省はわざわざ
工業用の事故米を販売することを許可していたのでしょうか・・・?
 
しかも、農水省はこの数年間、
この会社に、なんと100回近く
立ち入り調査を行っていたというではありませんか・・・。

我々の業界では、誤診したり、医療ミスを起こしたりした場合、
『ヤブ医者』という、不名誉なレッテルを貼られ、
世間さまからは冷やかな目で見られ、
場合によっては責任を取って、
職を辞すこともあります。

犯罪的行為を行った『三笠フーズ』に
重大なる責任があるのは当然のことですが、
このような事態に陥ったのは、
早期診断早期治療を怠った
国側にも大きな責任があるような気がするのですが・・・。



Posted by ゲゲゲのしげ爺 at 19:00│Comments(4)
この記事へのコメント
そうなんですよ〜明らかに食品としてしか米を使ってない会社が事故米を大量購入したということに違和感を抱かない農水省も原因を作ったのだと思います。このニュースが出てからムカムカしていました。
Posted by マスタ~ at 2008年09月10日 19:15
農薬が残留するパターンって「ポストハーベスト(収穫後農薬)」でしょうか?
◆お米に大量のコクゾウムシか何かが発生して仕方ないから身近にあった農薬をバケツに入れて投げ込んだ...。
◆小麦にコクゾウムシが....いいや!農薬入れてしまおう!⇒製粉工場⇒小麦粉⇒出荷⇒ギョウザの皮に残留!
ギョウザだけでなくアスパラの春巻きからもメタミドホスが検出されたことありました。アスパラが犯人と疑われた。でもアスパラは成長早いから農薬は使わないそうです。つなぎで使う片栗粉(澱粉)にコクゾウムシが...面倒だなぁ...そういえば倉庫に殺虫剤あったから入れちゃえ!⇒出荷  このパターンでしょうか?
「もっと早く」「もっと大きく」「もっとたくさん」とは市場経済のお約束。お役所も含めて私たち自身も見直す時期に来ていると思いますよ。
即上インスタントのご飯(もっと早く)
大量に実をつけて枝が折れそうなミカン(もっと大きく)
足の短い、肉のいっぱいとれるブタ(もっとたくさん)
くまもとの井手@達人養成装置?ホールで見かけたけど気功教室?やってたので触れませんでした中
Posted by くまもとの井手 at 2008年09月11日 07:59
起こってしまった問題を、
どう処理して今後につなげていくかが
とても大切ですよね・・・。

うやむやにされないよう、
また、同じような事件が起こらないよう、
我々も気をつけなければなりません・・・。
Posted by ゲゲゲのしげたんゲゲゲのしげたん at 2008年09月11日 11:33
くまもとの井手さん、こんにちは。
コメントありがとうございます。

農薬が残留するパターンは、
ポストもプレもあり得ます。
(中に染み込むタイプの農薬もありますので・・・。)

「もっと、もっと・・・」
「モア・アンド・モア」

井出さんがおっしゃる通り、
消費者自身の意識改革は必要だと私も痛感しています・・・。

達人養成マシンは、次の機会にでも触れてみてくださいね・・。
Posted by ゲゲゲのしげたんゲゲゲのしげたん at 2008年09月11日 11:37
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