2010年03月22日

『ストレス』か『フロー』か

カナダ生理学者ハンス・セリエが提唱した
『ストレス学説』により
『ストレス』という言葉が一般化。

今や現代社会は、
実にストレスに満ちた社会になってしまったと言っても
過言ではないような氣がします。



普通、一般的にいう『ストレス』とは、
正確には生体に『ストレス』『歪み』を引き起こす原因
『ストレッサー』のことを指します。

そして、その『ストレッサー』の刺激によって
生じてしまった生体の『歪み』の状態が『ストレス』で、
このストレス状態から
『ホメオスタシス(恒常性)』によって、
元の状態に回復しようとする際に生じる反応を
『ストレス反応』といいます。

実は、ストレスには
生体的に有益である『快ストレス』
有益ではない『不快ストレス』2種類があるのですが、
現代は、あまりにも『ストレス』という言葉自体が
一人歩きしているというか、
社会に『ストレス』というネガティブなものがあって当たり前というか、
それが何か悪いものかのような風潮にあることや、
そんなネガティブな言葉のイメージ、概念自体に
現代人が心理的に既に負けてしまっているという状態に・・・

『これはちょっとまずいのでは・・・?』

・・・と思い始めました。

そんな時にふと思い出した言葉が・・・

『フロー』

・・・です。

『フロー(Flow)』とは・・・
アメリカの心理学者、ミハイ・チクセントミハイが提唱した理論で・・・

『人間がその時に行っていることに完全に浸り、
 精力的に集中しているような精神状態』

1つの活動に没頭し、
 他の何事も問題にならない状態』

『その活動が純粋に楽しい故に、
 時間と労力を惜しみなく費やすような状態』

『内発的な動機に基づく、1つの活動に深く没頭している状態』

『ただそれが楽しいと感じるから没頭する状態』


・・・で、ストレス状態とは対極にあるような、
人間にとって実に理想的な状態です。

(一種の変性意識状態であるとも言えます。)

『フロー(Flow)』の語源は、
ロック・クライマーが登山の楽しさについて語ったことに
由来していると言われています。

『山を登る喜びは、頂上に到達することではなく、
 登っているという状態こそが喜びなのです。
 それは自分が1つの流れ(flow)と一体になる感覚です。
 その流れを保ち続けるために登るのです・・・』


チクセントミハイは、
『幸福』『創造性』『主観的な幸福状態』『楽しみ』の研究を行った
心理学者で・・・

『精神的に自立し、
 自己の統制がとれていれば、
 「幸せ」「喜び」
 起こった現象をどのように受け取るか次第であって、
 外的な状況がどうであるかは関係ない』


・・・といったようなことも述べています。

『淡々と「事実」があるだけ。
 そう思う「心」があるだけ。
 ただ自分がどう受けとめるかだけ』


…という訳です。
即ち、例え『ホメオスタシス』を歪ませてしまうような
『ストレッサー』があったとしても、
それを『ストレス』とは捉えずに、
『フロー』として捉えることも可能であるということです。

フロー状態の特徴とは・・・

1.行為への深い集中がある
2.楽しく、浮き浮きとした高揚感がある
3.その状況を支配している感覚、有能感がある
4.時間感覚の喪失
 (長時間の出来事を短時間に感じたり、
  逆に瞬間の出来事を長時間に感じたりする。)
5.自意識の喪失
6.その行為自体や、周囲の環境との一体感
7.どんな行為でも起こる


フロー状態に入るためには条件があって・・・

1.自己目的的であること
  内発的な動機に基づいてること。

 
 報酬や見返り(外発的動機)を期待しないような、
 行為そのものに対する純粋なモチベーションがあること。

2.能力と難易度のバランス 
 
 その行為が困難すぎて不安になったり、
 あまりにも簡単すぎて退屈しないような、
 適度なチャレンジ精神が保たれること。

3.確かなフィード・バックの存在

 自分の行為が上手くいっているのかいないのか、
 自己の成長に結びついているのかいないのかを確認できること。

4.状況を自分でコントロールできる

チクセントミハイは、
『フロー理論』に東洋思想との共通点を見出していたり、

『フローに入ることと
 精神的な自立や自己の統制とは相互的に高めあう関係にあり、
 それが個人の幸せ、社会の幸せにつながっていく』


・・・というようなことを述べています。

これは、我々が理想とする
『実存的変容(ホロトロピック・チェンジ)』にも繋がっていく理論であり、
『5つの病因』の中央に位置する『心』の問題を解決する
大きなヒントが隠されているように思います。

『ストレッサー』にさらされた場合、
『ストレス』状態を選択するのか、
『フロー』状態を選択するのか・・・???

『ストレス』という言葉が流行るような
被害者意識的な社会のままでいいのか、
『フロー』という言葉が流行るような
実存的変容社会を目指していくのか・・・???

フロー理論を病気の治療、
実存的変容(ホロトロピック・チェンジ)に繋げていけるよう、
しばらく研究してみたいと思います・・・。


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Posted by ゲゲゲのしげ爺 at 19:00│Comments(1)代替療法
この記事へのコメント
さらさん、こんばんは。

息子さんは凄い人物ですね・・・。

全く心配要らないと思います。

確かにきついと思いますけど・・・。
Posted by ゲゲゲのしげたんゲゲゲのしげたん at 2010年03月25日 21:26
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