2007年11月27日
湿潤療法
「傷口は消毒液で消毒しなければならない。」
「傷口は乾燥させなければならない。」
これは、西洋医学的には迷信になりつつある、古い考え方です。
相澤病院・傷の治療センター長、夏井睦先生は、
「消毒薬は不要。」
「傷口は水道水で洗えば十分。」
「傷口は湿潤した状態のほうが早く治癒する。」
と説かれています。
消毒薬は実は細胞傷害作用があり(殺菌してくれるのはいいのですが)、
傷口を消毒してしまうと、皮膚細胞も傷害を受けてしまうのです。
昔、赤チンという消毒薬がありました。
傷口に塗ると、割としみました。
今考えると、殺菌と同時に皮膚の細胞も傷めていたんですね。
水銀も入ってますし・・・。
歯科スタッフによると、
以前は口腔内の消毒にも赤チンを使用していたとか。
(違う意味で恐ろしい・・・。)
また、傷口を乾燥させるために、ガーゼや絆創膏で
傷口を覆っていましたが、このガーゼの付け替えが痛いこと・・・。
そして付け替えるたびに出血・・・。
絆創膏を剥ぐのも、一気に剥ぐのか、じわじわと痛みを感じないように剥ぐのか、悩みながら剥いだり・・・。
今となっては、本当に良い(?)思い出です。
ケガをした場合は、余計な消毒などせずに、流水できれいに傷口を洗って、異物や壊死組織をきれいに除去し、創傷被覆剤でラップし、
湿潤した環境においてあげると、ヒリヒリとした痛みもないし、治癒も早く、
傷跡も残りにくくなります。
これが「湿潤療法(モイスト・ヒーリング)」です。
矢山クリニックでも、創傷・熱傷・褥瘡(じょくそう)などに対しては、
湿潤療法を行っています。
参考:新しい創傷治療
BAND-AID キズパワーパッド
ケアリーヴ バイオパッド
ケアリーヴ 血を固めるタイプ
プラスモイスト