2009年11月01日

『メタボ』と『ロコモ』

『メタボ』とは、
本来は『代謝』という意味にしかすぎませんが、
『メタボリック・シンドローム』という念が誕生して以来、
疾患を意味する言葉になってしまいました。

同じような使い方をされる言葉に、
『ロコモ』という言葉があります。

まだ『メタボ』ほど市民権を得ている訳ではありませんが、
そのうち『メタボ』のように本来の意味ではなく、
疾患を意味する言葉になっていくのでしょう。

さて、『ロコモ』とは何を意味するのかと言うと・・・
ロコモティブ・シンドロームlocomotive syndrome)』の略。

『locomotive』とは本来、
『移動する』とか『移動力のある』という意味で、
『locomotive organ』で、『運動器』という意味になり、
syndrome(症候群)』という言葉がくっついて
『運動器症候群』と訳されています。

平成19年
日本整形外科学会が新たに提唱した概念で、
運動器の障害によって
要介護になるリスクが高い状態になることを意味しています。

変形性関節症骨粗鬆症などの加齢に伴った様々な運動器の疾患や、
四肢の機能障害を引き起こす慢性関節リウマチなどの疾患の総称で、
また、『メタボ』から引き起こされる動脈硬化性疾患1つ
脳血管障害による四肢の麻痺状態
概念的には『ロコモ』の範疇に入るでしょう。

『ロコモ』は、
『メタボ』や『認知症』と並び、
『ねたきり』『要介護』状態の3大要因1つとなっています。

『ロコモ』はさらに
『ロコチェック』ロコモ・チェック
『ロコトレ』ロコモ・トレーニング
などの派生語を既に生んでおり、
今後ますます『ロコモ』という言葉が成長して
市民権を得ていくのだと思います。

しかし、『ロコモ』には本来『移動』『運動』という意味しかありませんでした。
『メタボ』同様、
『ロコモ』にも『症候群』や『病気』とか、
『ねたきり』や『要介護』といった
負のイメージを植え付けてしまうのは、
ちょっと可哀想な気がしてきます。

また、太った方を『メタボ』呼ばわりしたり、
四肢の不自由な方を『ロコモ』呼ばわりしたりするような、
そんな言葉の使い方をされそうで、
その点に関しても少し心配です・・・。face07


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Posted by ゲゲゲのしげ爺 at 19:00│Comments(0)西洋医学
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