2009年05月28日

衛生ボーロ

ある高齢入院患者さんが、
美味しそうに『衛生ボーロ』を食べておられました。

『衛生ボーロかぁ・・・。
 離乳食として、妹に食べさせるついでに
 俺もつまんでたなぁ・・・。』


なんて懐かしがっていたら、突然・・・

『ん?
 ところで、何で「衛生」ボーロっていうんだろう・・・?』


・・・と疑問が湧いてきたので、
なぜ『衛生ボーロ』と名前がついているのか、
スタッフ数名に聞いてみました。

ところが、誰も『衛生ボーロ』の名前の由来を知りません・・・!face08

誰に聞いても教えてくれないので、
自分で調べてみました。

まず、ボーロとはポルトガル語『bolo』
boloとはポルトガルでは『ケーキ』を意味しているらしいのですが、
ここでいうボーロとは、
小麦粉砂糖を加えてこね、形を整えて焼き上げた焼菓子のことで、
日本には16世紀ポルトガルから伝えられたということでした。

日本で販売されてきたボーロも様々な種類があるらしく・・・

『乳ボーロ』
 『たまごボーロ』
 『ミルクボーロ』
 『ベビーボーロ』
 『そばぼうろ』・・・etc)

何と、佐賀の銘菓である『丸芳露(丸ボーロ)』
『ボーロ』の一種であることを、初めて知りました。

(ハナっから、ボーロって名前がついてるんですけどね・・・。face07

『衛生』とは、
基本的には身の回りを清潔にして、健康を保ち、
病気を予防することを意味します。

「衛生ボーロ」とは健康を保ち、病気を予防するお菓子・・・?』

なんてことも思いましたが、
実は『衛生ボーロ』を販売した西村エイセイボーロ本舗が、
当時(明治26年)の流行り言葉であった『衛生』を用いたのだそうです。

『衛生』という言葉は、
実は明治維新後の新政府の政策の1つとして、
『Hygiene』の訳語として日本で創作された言葉でした。

明治10年代、日本ではコレラが大流行し、
この伝染病に対し、様々な衛生対策が打ち出されたようです。

日本の国家衛生行政尽力、徹底により、
個人、社会、国家が健康を守り
疾病を予防することを表す言葉として、
『衛生』という言葉が次第に定着し、
流行していったと考えられます。

ちなみに、
国際日本文化研究センター研究部教授、井上章一氏の
著書『美人論』によると、
当時、『大日本私立衛生会』という団体が存在し、
健康こそが『美人』であるという、
『衛生美人』face05という概念を提唱していたのだそうです。

明治時代に『衛生』という言葉が流行していたことを
伺わせるエピソードの1つです。

明治維新と共に誕生した
『衛生』という概念は、
『衛生ボーロ』というお菓子と共に、
現代も立派に息づいているんですね・・・。face02

話は変わりますが・・・
大学時代、
関西から来ていた同級生が、
初めて佐賀で丸ボーロを食べた時、

「うわっ・・・! この煎餅、しけってるぞ・・・!!」 

・・・って言っていたことを思い出しました。

私はその時まで、
丸ボーロは全国共通のお菓子だとばかり思っていました・・・。face07



Posted by ゲゲゲのしげ爺 at 19:00│Comments(2)
この記事へのコメント
衛生ボーロ、懐かしいですね!
今でもスーパーで見かけると、ほのぼのします。(^-^)

佐賀の丸ボーロは人の好みで大分、差があります。
大好き!って言う人もあれば、何コレ?みたいな人も…

一口香になると、もっと好みが分かれます。

佐賀の銘菓も全国的には受け入れられないのか…(T_T)
Posted by かぼやん at 2009年05月28日 22:07
かぼやんさん、こんばんは。

衛生ボーロ、懐かしいでしょう~!!

私にとっては丸ボーロも懐かしい味なのですが、
中には未知の方もいらっしゃるんですよね・・・。
少々複雑な気持ちです。
Posted by ゲゲゲのしげたんゲゲゲのしげたん at 2009年05月29日 21:37
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