2012年02月23日

インフルエンザの迅速検査について・・・・・

インフルエンザの流行も下火になってきたとはいえ、
まだまだこの疾患の患者さんが来院される今日この頃、
皆さまいかがお過ごしでしょうか・・・・・?

私は今夜も当直先の病院で
インフルエンザの診療をしております。

さて、今回はインフルエンザの迅速検査のお話を・・・・・・。

近年、
咽頭拭い液や鼻腔拭い液などの検体を使って、
迅速にインフルエンザを診断する・・・・・

『インフルエンザ迅速検査キット』

・・・・・が普及し、
インフルエンザ・ウィルス感染の有無の検査が
比較的簡単に、迅速に行われるようになって来ました。

しかし、ここで注意すべき点があって・・・・・
どの検査も100%正しいということはあり得なくて、
検査の結果、
インフルエンザが陰性と出た場合、
その疾患がインフルエンザではないと断定されたわけではありません。

検査で陽性と出た場合には、
ほぼインフルエンザと断定して間違いはありませんが
(実はそれでも100%ではありません)、
陰性と出た場合でも、
実はインフルエンザであったということがあり得るのです。

発病後1日以内は検査が陰性となる場合があることはよく知られていますし、
大人は子供さんより陽性率が低い傾向があると言われています。

インフルエンザ検査が正常だったということで安心なさった方が、
実はインフルエンザであって
その周囲の方々にインフルエンザを感染して回っている場合があるということです。

また、インフルエンザ予防接種をしていても、
その予防は感染そのものではなくて
実は重症化の予防。

予防接種を行ったことで
インフルエンザの症状が軽く済んでいるのを
ただの風邪だと勘違いして
周囲の方々に感染して回っている場合があり得ます。

この辺りが
インフルエンザの診療の難しい点だと思います。

インフルエンザと診断が付いた場合、
近年では抗インフルエンザ薬が使用されることがほとんどですが、
実はインフルエンザなのに
検査が陰性であるがゆえに診断が遅れ、
インフルエンザの適切な治療が行われなかったがゆえに
また次の感染へと結びついていることも大いにあり得ます。

その点、漢方薬による治療は
ウィルスの種類ではなくて
その患者さんの・・・・・

『証』

・・・・・によりますので、
普通の感冒であろうが、
流行性感冒(インフルエンザ)であろうが、
どちらでも対応できます。

抗インフルエンザ薬で原因治療を行いながら、
漢方薬で悪寒や関節痛、咳、鼻水、くしゃみ、咽頭痛、頭痛などの
不快な症状を和らげ、
東洋医学と西洋医学の長所を活かしながら
できるだけ迅速にインフルエンザが治癒するよう、
今夜も尽力いたします・・・・・。


Posted by ゲゲゲのしげ爺 at 21:19│Comments(0)
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