2009年05月18日

『癒し系』と『治し系』

『癒し系』という言葉があります。

この言葉は、
20世紀末より言われはじめた言葉のようで、
時代が、社会が、人々が
『癒し』『安らぎ』を求め始めたことを表しているのかもしれません。

ところで、
医療行為・治療は、大きく
『癒し系』『治し系』2つに分類されると思います。

矢山クリニック
日常の行動指針、理念行動の目的は、
矢山利彦院長も声も高らかに公言されておられますが・・・)
『治し力の向上』にあります。

すなわち、矢山クリニックは
『癒し系』というよりは、
どちらかというと、
『治し系』に重点を置いていると言えそうです。

矢山クリニックには、
通常の病気の方々以外にも、
西洋医学的には不治、難治と言われるような病気の方々も
多数来院されます。

当然、そういう方々の『癒し』も非常に大切なのですが、
矢山クリニックでは、とにかく・・・

『一歩でも、少しでも、僅かでも、
 治癒に近付くにはどうすればよいか・・・?』


・・・ということを基本に据えて考え、行動するようになっています。

しかし、『治し力』の追及は、
癒すことよりも、
どちらかというと治すことを前提としているため、
実は患者さんに
『努力』icon09を強いてしまうことがよくあります。

食事、運動、内服、点滴療法・・・etc

このように、
『治し』と『癒し』は、必ずしも同義とは限りません。

『癒す』ことが『治し』に繋がることはあり得ますが、
『治す』ことが『癒し』に繋がるかどうかは、
必ずしも言えないというのが現状です。

『パッチ・アダムス』として有名な、
アメリカの医師、Dr.ハンター・アダムスは・・・

『100%のキュア(治癒)はないが、
 100%のケアはある。』


・・・ということを仰っています。

病気の100%『治し』ができなくても、
100%『癒し』はできる

・・・ということを言われているような気がします。

4月より、『生きがいの創造』で有名な飯田史彦先生のご協力を得て、
矢山クリニックでも『スピリチュアル・ケア』が開始されました。

スピリチュアル・ケアは、
『治し』よりも『癒し』に重点を置いた治療法と言えると思います。

矢山院長は・・・

『治し力』『金剛界曼荼羅(こんごうかいまんだら)』で、
 『癒し力』『胎蔵界曼荼羅(たいぞうかいまんだら)』だ!
 
 これで、また新しい医療の曼荼羅を描くんだ・・・!!」


・・・というような表現をされています。

今後、矢山クリニックでは・・・
『癒し』『治し』の統合、
『癒し系』『治し系』の両方の性質を持つ治療法の模索、
『治し力の追及』から『癒し力と治し力の追及』へのシフトが行われ、
また新しい形のホロトロピック医療への
変貌を遂げていくことと思います・・・。



Posted by ゲゲゲのしげ爺 at 19:00│Comments(2)
この記事へのコメント
いつも楽しく読ませていただいてます。
仕事柄、自然治癒力(自己治癒力)に関心があり、今回の治し系と癒し系は大変興味深いものでした。

これを読んでふと感じたことは、治療というものに100%の治療ってあるのだろうかということです。
「治す」にしろ「癒す」にしろ、その定義というものは曖昧だと思うのです。定義が明確でなければ、数量的な判断はできないのではないでしょうか?

「治す」と「癒す」の違いはなんだろうか?
「治す」というのは身体的なもので、「癒す」というのが精神的なものなのか?
それとも、「治す」というのは、客観的な外部からの働きかけのようなもので、「癒す」というのは主体的な内部から湧き上がるようなものなのか?
受動的な「治療」と自発的な「治癒」のような違いなのか?
「治す」とは心身の不調を悪なるもの(病)と捉えそれを打ち負かすことで、「癒す」とは心身の不調を善なるもの(警告)と捉えその原因を排除することなのか?
いろいろ考えたのですが、言葉遊びみたいになってしまい結論は出ませんでした。

西洋医学の治療は、外部からの働きかけによって悪なる病を打ち負かす、あるいは身体が発する反応(症状)を押さえ込む対症療法が主流であるように思うのですが、
近年盛んに言われるようになった「自然治癒力(自己治癒力)を活性化すること」は、治すことなのかそれとも癒すことなのか?先生はどのようにお考えですか?

私なりに感じたことは「治す」と「癒す」の概念的な違いを論ずることは、却って患者さんを混乱させるのではないか。そのような過去に生まれた曖昧な概念上の区別は忘れ去って、それぞれの処方が心身の何にどう働きかけ、それによって期待されるプラス面とマイナス面の結果は何なのかを具体的に明らかにしていくことが真の医療を確立する道なのではないだろうかと感じたのですが、どう思われますか?
Posted by ぎりやん at 2009年05月19日 10:41
ぎりやんさん、こんにちは。

仰る通り、『治す』と『癒す』の定義は、
時代や人によってかなり曖昧のようです。

このテーマは、実は『修行派と帰依派』の話とも
微妙に関連していますので、
今後も折を見て論じていきたいと思います。

「自然治癒力(自己治癒力)を活性化すること」が
『癒し』なのか『治し』なのかというご質問ですが、
それはケースによって変わってきますね・・・。

現時点では、ある治療があったとして、
その何%が『癒し系』、
残りの何%が『治し系』・・・
と言う風に考えるといいのではないでしょうか・・・?

いずれにせよ、
最終的な究極の目標は『治癒』なわけですから、
仰る通り、
『癒し系』でも『治し系』でも、
実は別にどちらでもいいんだとは、
個人的には思います。
Posted by ゲゲゲのしげたんゲゲゲのしげたん at 2009年05月19日 18:46
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